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月夜の跳ね遊び

ちょっと旧い、イタリア車とスクーターと自転車に乗りながら、写真をパチパチ撮りながら、思った事を書いていきます。

Leica M3 厄介な「ドイツ貴族」来訪

この年の瀬に、厄介なカメラが流れてきました。

ライカM3です。この言葉だけを読んで「えー!?、M3なんて羨ましい!」などと思ったあなた、話を最後まで聞いてくだされば「自分じゃなくて良かった…」と思うと思います。

先週火曜日に親しい後輩から連絡があり「カメラ売りたいんですけど買ってくれませんか?」とのこと。「どんなカメラ?」と聞けば「ライカM3」という返事。「いらん」と即答しました(笑)。以前M4を使っていましたが、Canon VI-Tに変えてからはそちらの方がハッキリいってライカなんかよりも性能がいいので、M4とMマウントレンズは売り払い、それからは(それまでもですが)ライカには全く思い入れがなかったからです。

「中古屋に売りに行ったらええやん」と言うと、もう売りに行ったとの事。ボロカス(3万円)の値段しか付かなかったそうです。え~?M3が3万円?向こうも商売とはいえ、どんなM3やのそれ?とかなり興味が湧きましたが、ライカへの興味ではなく3万円しか値が付かないことへの興味です。
なので「まぁ僕はライカは使わないし」と仲の良い後輩ですが引き続き断りました。すると「5万円いるんですよ」とのこと。土日の休みでバイトでもしたら?とも思いましたが、事情を聞くとなるほどそれは困ってんねんなぁという内容。別に借金の保証人になれと言われているわけではないので、まぁ一回ライカ見せて、という事になりました。

世間からはカメラ道楽に見られるかもしれない僕ですが、結構こつこつと欲しいものに対して工夫し蓄えをしております。今回は半年前から月1万円ずつ貯めて、京セラGマウントのプラナー45mmF2をMSオプチカルさんでLマウントレンズに改造してもらおうと計画しており、手元には丁度その改造代の5万円が先月末に貯まったところでした。ちなみにプラナー自体はレンズは傷カビ曇り全くなしの状態ですが、鏡胴にガタありという理由で3500円で新宿マップカメラのジャンク棚にあったのを捕獲したものです。

planar.jpg
■『第二の人生出発を待つプラナー君』

そんな大切な虎の子の5万円を、しょうもないライカM3なんかに払えるか!という気持ちが強くありましたが、とりあえず詳しく彼の話を聞いてみました。話を聞けば、彼の名誉のために書きますが、お祝いなんかが続いて急に入用になることってありますよね。丁度そんな具合。決してギャンブルや女(奥様以外の)やそんなものではありません。

さて問題のM3です。決して自分の金では買いたくない感じのM3でした笑)。

M3_1.jpg

73万台。うわーよりにもよって初期型ですよ。君なんでこんなもん持ってんねん(笑)。手元にあるライカブックでシリアルを確認するとM3の発売から翌年の1955年製。その年だけで49599台も生産しており希少価値のかけらもありません。巻上げはDS(ダブルストローク/2回巻上げ)、巻上げ機構がM3中~後期型以降のラチェット式でなくスプリング式なので、整備していないにも関わらず、M4で感じていた「巻上げこんなもんか?」よりも大変滑らかなのには驚きです(いかんいかん(笑))。皆これにやられるのかと。外観は犬耳、ファインダーセレクタなし、大昔の国際標準のシャッタースピード(面倒です)。内部的には圧着板がガラス製、背面蓋を閉じるときに「パチン」と音がするなどが初期型M3の特徴です。まことに些細な違いですが…。シリアルナンバーだけはキリのいい番号でめでたい感じですね。

さて3万円の理由が分かりました。ファインダー接眼の左下にバル切れ、二重像は全然ダメダメ(かなり薄い)、使えるM3のファインダーと比べるとかなり落ちると思います。外観は背面蓋のお天気マークのパーツ欠損、同じく背面蓋のグッタペルカ半損、トップカバーにMRメーターの傷多し、ところどころアタリあり…これでは3万円でも値段出してくれた店に感謝しなければいけなかったのでは?という感じです。M3の唯一の美徳であるファインダーがダメなんですから、これはもうハッキリいって「零落のドイツ貴族」と言うべきM3です。え~これを5万で僕がどうかするっていう話になるのかな…?

M3_2.jpg
■『ボロいM3』 まぁ部品や革の欠損は撮影には影響ないですが…。接眼部の白っぽいのがバル切れです。

しかたがないので、預かるからお金が出来たら引き取りに来てよ…ということにしました。何かこのまま僕が所有することになりそうな気もしないでもない。M3に愛着が沸くのではなく、後輩が僕に売った気になってしまうということですね(彼にはそういう気楽なところが若い頃からある)。まぁ仲の良い後輩だし、頼ってくれたんだからいいかなとも思います。プラナーはまた半年後だなぁ…。

ちなみにこの内容は「ブログに書くけどいいか」「いいす。」と了承済。5万にはネタ提供代も含まれているということですね(笑)。


気を取り直して早速土曜日に大阪へテスト撮影に行ってきました。でも使ったのは目測レンズ。主にシャッタースピードのテストです。もう外部ファインダー付けた広角専用機にしようかなとも思う。VI-TとM3、2台のレンジファインダーをぶらさげての撮影行。結構楽しんでいるのか?(笑)

観客
■『観客』 Leica M3/Snapshot Scooper 25mm F4

街頭配布
■『まつ毛7倍ですよ!』 Leica M3/Snapshot Scooper 25mm F4

托鉢
■『地球が後ろの看板の映画のようにならないためにも…』 Leica M3/Snapshot Scooper 25mm F4

信号まち
■『信号まち』 Leica M3/Snapshot Scooper 25mm F4
「あ、ライカだなぁ…」と思ったのはこの写真をノーファインダーで撮ったときです。Canon VI-Tの「パツッ」というシャッター音ではなく、M3は「チャ」という「鳴ってんのか?」というぐらいの小さな音。唯一OKか?

歩道橋2
■『センチメンタル』 Leica M3/Snapshot Scooper 25mm F4
幸運にもスローを含めてシャッターは全速OKのようでした。ただし現在のシャッター速度ではなく旧い基準の速度(1/100、1/50、1/25、1/10など。今は1/125、1/60、1/30、1/8ですが)なのでちょっとカン狂いますけどね。ただ僕がRFで撮るのはネガオンリーのカラースナップなので問題ないです。


Webを見ていると「憧れのM3をついに購入しました!」とか「これぞ工芸品」「最高のカメラです!」などヨロコビの記事が多いですね。いい個体に当たった人は幸せですし、またそれに見合う出費もあったんでしょうけれど。
そういう意味では5万でM3買って写真撮れる僕も別の意味でシアワセかもしれないですが、元々のライカへの憧れや入手の喜びがない分、神話の通じない文化圏ではその神は神でもなんでもないという事もまた事実です。
しかし普通ライカは高価だから「ガンガン使うのがもったいない/ぶつけたらどうしよう」→「あまり写真が撮れない」という心理とは無縁のM3がやってきた事は、救いなのかもしれませんね。

今週は、ほとんど薄く暗い距離計のレンズ連動テストをしようかと思います。
ピント合わせがつらそうだなぁ…。可愛がれるかなぁ…。

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